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「AIがないと支障が出る」25.5%、「判断する機会が減った」30.0%——1,400名調査が映す、任せた先で薄くなるもの

2026-09-19 AI活用働き方

AIに任せる範囲が広がれば、手元の作業は減ります。では、減ったぶん何が薄くなるのか。その内訳が読み取れる調査が公開されました。

使っているのは49.8%、うち25.5%が「ないと支障が出る」

株式会社マイナビが2026年9月18日に公表した「派遣社員における生成AI活用の実態調査(2026年)」は、派遣社員として勤務する20〜59歳の男女1,400名に聞いたものです。調査期間は2026年7月7日〜7月16日、WEBアンケート調査です。

3つ目が目を引きます。使っている人の4人に1人が、AIを外すと仕事が回らないところまで来ている。これは定着の証拠でもあります。

ただ、同じ調査には、隣に並べると読み方が変わる数字があります。

「簡単になった」29.3%と「判断の機会が減った」30.0%

生成AI利用者に業務の変化を聞いた結果です。

変化の内容割合
業務の難易度が簡単になった29.3%
自分で判断する機会が減った30.0%
業務量が減った23.0%

難しさが減った割合と、判断の機会が減った割合が、ほぼ同じ大きさで並んでいます。設問が別なので同じ人が両方に答えたとは限りません。それでも、向きはそろっています。難易度が下がることと、判断の回数が減ることは、同じ現象を別の側から見たものだからです。

そして、量が減ったと答えた人は23.0%で、この3つの中では最も低い。仕事の量はそれほど変わらないまま、中身から判断が抜けていくという並びになっています。

ここが、個人にとっては効いてきます。仕事の値段がつくのは、たいてい判断のほうです。どの案を採るか、どこで止めるか、誰に確認するか。手を動かす時間が短くなること自体は歓迎していい話ですが、判断の回数まで一緒に減ると、経験が積み上がる速度が落ちます。半年後に振り返ったとき、「たくさん処理したけれど、自分で決めた場面が思い出せない」という状態になりかねません。

不安は34.8%、しかも職種で開いている

同じ調査で、「AIによる仕事減少への不安がある」と答えた派遣社員は34.8%。職種別ではテレオペ・テレマーケティング48.0%、オフィスワーク・事務44.8%で、どちらも前年より高くなっています。

一方、「AIによって仕事内容やスキルの変化を実感している」のは、機械・電気・IT・エンジニア41.3%、オフィスワーク・事務40.7%でした。

不安が高い職種と、変化を実感している職種は、きれいには重なりません。不安が先に来て実感が後から追いつく職種もあれば、実感が先行している職種もある、という程度に読むのが妥当なところです。断定できるのは、不安の大きさが職種によってかなり違う、ということだけです。

なお、この調査の対象は派遣社員です。雇用のかたちが違えば数字も変わるはずで、正社員やフリーランスにそのまま当てはめることはできません。ただ、「判断の機会が減る」という現象自体は、契約のかたちとは関係なく起きます。

判断の回数を自分で戻す3つの手順

減った判断は、意識して戻さないと戻りません。手を動かす時間と違って、減っても締め切りに響かないからです。

1. 案を1つではなく3つ出させる

「この資料の構成を考えて」ではなく、「方向性の違う構成案を3つ、それぞれ向き不向きを添えて」と頼む。出力を1つにすると、AIが案と判断の両方を済ませてしまいます。3つ並べば、選ぶ工程は自分の側に残ります。

追加で書く文字は20字ほどですが、成果物が確定するまでの段階が1つ増えます。

2. 選んだ理由を1行だけ残す

案を選んだら、理由を1行書いておく。「B案。今回は社内向けで、前提の説明が要らないから」程度で十分です。

これはメモではなく、判断の記録です。3か月分たまると、自分がどういう基準で決めているかが見えてきます。職務経歴書に書けるのも、処理した件数ではなくこちらのほうです。

3. 曖昧なルールは、自分の側で先に決めておく

同じ調査では、生成AI利用者の26.7%が「派遣先のAI利用ルールは明確でない」と回答しています。4人に1人が、線引きのない場所で判断していることになります。

ルールが曖昧なとき、多くの場合は決まるのを待つより、自分の運用を先に決めて共有したほうが早く進みます。「社外に出す文面はAIに下書きさせるが、送信前に必ず自分で全文を読む」「顧客名と金額はAIに渡さない」。この2行を自分の基準として決め、必要なら上長や担当者に一度伝えておく。確認されたときに答えられる状態になりますし、それ自体が判断を1つ引き受けることでもあります。

ただし、職場に明文化されたルールがある場合は、そちらが優先です。 ここで言っているのは、何も決まっていない領域を自分で埋める話です。

減らしていいものと、減らすと困るもの

この調査は、AIを使うと不利になる、という話をしているわけではありません。難易度が下がり、量も一部減り、4分の1の人が手放せなくなっている。定着は進んでいます。

注意したいのは、減ったものの内訳です。作業時間が減るのは、そのまま利益になります。判断の機会が減るのは、短期では楽になり、長期では自分の材料が減ります。前者は歓迎し、後者は意識して埋め戻す。区別しておく価値があるのは、この2つが同じ「減った」という言葉で語られてしまうからです。

案を3つ出させて、選んだ理由を1行残す。これで収入が増えると保証できる話ではありません。ただ、来年「何ができるようになったか」を説明するとき、手元に残っているものは確実に変わります。

Blue Aegis株式会社は、規制対応を検証可能にする技術を研究開発し、その成果を特許として保有・提供しています。規制対応でお困りの場面がありましたら、判断がつかない段階でもご相談ください。

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一次出典

本稿は公表資料に基づく整理であり、法的助言ではありません。