求職者の67.4%が生成AIを使い、裏付けを取ったのは50.2%——778名調査が映す、要約の先に残る作業
転職や求職の下調べにAIを使う人は、すでに多数派です。ただ、集めた情報をどこまで信じるかで、その先の判断は変わります。
67.4%が使い、50.2%が裏付けを取った
株式会社プルークス(JCOMグループ)が2026年9月17日に公表した「求職活動中の動画とAI活用に関する実態調査」は、直近1年間で求職活動の経験がある20〜40代の学生・社会人778名に聞いたものです。調査期間は2026年7月6日〜7月31日、インターネット調査です。
数字を3つ挙げます。
- 求職活動で生成AIを活用したのは67.4%
- AIが示した情報への対応で「ある程度は信用し、必ず公式サイト等で裏付けをとった」は50.2%
- 就職・転職活動中に採用動画を見たのは58.9%
50.2%については、リリースに設問の母数が明示されていません。そのため「67.4%から50.2%を引いた分が裏付けを取っていない」という読み方はできません。それでも、選択肢の文言そのものには見るべきものがあります。
「ある程度は信用し」の前半と後半
この選択肢は、前半で「ある程度は信用し」と言い、後半で「必ず公式サイト等で裏付けをとった」と続きます。まるごと疑うのでも、まるごと受け取るのでもない。使いながら確認する、という姿勢です。
求職活動で扱う情報は、そもそも古くなりやすい種類のものです。給与のレンジ、募集しているポジション、組織の体制。どれも半年で変わります。AIが参照した時点が古ければ、書かれている内容そのものは当時正しくても、いま応募しようとしている求人の話とは合いません。誤りというより、時点のずれです。
そして、この種のずれは確認しやすいほうです。給与レンジや募集要項は公式の求人票に載っていて、上場企業なら人数や平均給与は有価証券報告書で追えます。AIの答えを起点に「どこを見れば確かめられるか」が分かっていれば、確認そのものは数分で済みます。
AIが要約しにくい情報は、まだ残っている
同じ調査では、採用動画を見た人が58.9%。見るタイミングは「情報収集を始めたとき」58.3%、「他社と比較するとき」51.5%。見たい中身は「仕事の1日の流れ」38.3%、「オフィスの雰囲気」37.8%が上位でした。
この2つは、要約が効きにくい情報です。理由は単純で、まだ言葉になっていないからです。AIは公開されたテキストをまとめるのが得意ですが、誰も文章にしていないものは扱えません。1日の流れやその場の空気は、動画を見たり人に会ったりしないと手に入りません。
これは求職に限った話ではありません。AIで下調べが速くなるほど、判断を左右するのは「テキストになっていない情報」のほうに寄っていきます。速くなった工程ではなく、速くならなかった工程が残る、という順番です。
手元でできる3つの手順
- AIの出力に確認先を書かせる。 「根拠になる一次情報のURLか出典名を併記して」と足すだけです。出てこなかった項目は消さずに「未確認」と残しておく。後で見返したとき、どこが自分の調べた事実でどこがAIの推測か分かります。
- 数字と日付だけは自分で見る。 給与レンジ、従業員数、募集要項の更新日。この3つを公式の情報で当たるのに、1社あたり5分かかりません。時点のずれが効くのは、まさにこの3つです。
- 言葉になっていない情報の取り方を、先に1つ決めておく。 動画を見る、カジュアル面談を申し込む、その職種の人に話を聞く。どれでもかまいませんが、「AIで調べ終わったら次はこれ」と決めておくと、下調べが速く終わった分がそのまま前に進みます。
速くなったぶんを、どこに置くか
67.4%が使っている段階では、AIを使っていること自体では差がつきにくくなっています。分かれるのは、浮いた時間をどこに置くかです。
これで採用の結果が良くなると保証できる話ではありません。ただ、時点のずれを先に潰しておけば、面談で聞くことは具体的になります。判断の材料は、確実に増えます。
Blue Aegis株式会社は、規制対応を検証可能にする技術を研究開発し、その成果を特許として保有・提供しています。規制対応でお困りの場面がありましたら、判断がつかない段階でもご相談ください。
相談する一次出典
- 株式会社プルークス(PR TIMES)「【2026年版】求職者の約70%が生成AIを活用する一方、約50%が「裏付け」を重視。JCOMグループのプルークス、「求職活動中の動画とAI活用に関する実態調査」を公開」(2026-09-17)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000050.000014649.html
本稿は公表資料に基づく整理であり、法的助言ではありません。