転職活動で生成AIを使う20代は63.5%、求人探しに使うのは19.5%——186名調査が映す、AIが効いている工程
転職活動は、AIの使いどころがはっきり出る作業です。締め切りがあり、成果物(応募書類)が決まっていて、他人に読まれる。その現場で何が起きているかの数字が出ました。
1年で46.5%から63.5%へ
株式会社学情が2026年10月13日に公表した「20代転職意識調査」によると、就職・転職活動で生成AIを「よく利用している」と答えた20代は29.6%、「時々利用している」は33.9%。合わせて63.5%です。前年同時期の46.5%から17.0ポイント増えました。「利用していない」は19.4%で、同社は前年から半減したとしています。
先に規模を断っておきます。求職者側の有効回答は186件、調査期間は2026年8月6日〜8月23日。回答者は20代向け転職サイトの来訪者で、20代全体を代表する数字として扱うには小さいサンプルです。それでも同じ調査の前年値と並べられるので、1年でどちらに動いたかは読み取れます。
使われているのは「自分について書く」工程
内訳のほうが示唆的でした。利用場面(複数回答)の上位3つは、自己PRの作成・添削62.7%、履歴書・職務経歴書などの応募書類の作成・添削61.9%、自己分析やキャリアの棚卸し60.2%。6割台で並んでいます。志望動機の作成・添削47.5%、面接対策38.1%が続きます。
一方、業界・企業研究は24.6%、希望に合う求人探しは19.5%。上位とは3倍前後の開きがあります。
「AIで転職活動」と聞くと求人を探させる使い方を想像しがちですが、実際に定着しているのはその逆側でした。材料が自分の中にあって、まだ形になっていない工程にAIが入っています。自己PRも職務経歴書も棚卸しも、情報を外から取ってくる作業ではなく、持っている事実を人に読める形に変換する作業です。
逆に求人探しや企業研究は、候補の網羅性と情報の正しさが成果を左右します。AIに任せても結局は求人票と公式情報を確認することになり、工程が減りません。使われていないというより、減らせる手間が少ない。この線引きは、転職活動に限らず自分の日常業務にもそのまま当てはめられます。
効率化59.7%の隣に、「自分の言葉で」41.4%
活用に対する意識(複数回答)も素直な結果でした。最多は「作業時間の短縮や効率化につながる」59.7%、次が「自分にない視点や表現を得られる」44.1%。そして「補助的なもので、自分の言葉で考えることが重要」が41.4%で3番目に入っています。
この3つは矛盾しません。時短を感じている人とほぼ同じ規模の人が、同時に線を引いている。不安の側は「AIの情報や回答が正しいか不安がある」19.4%、「企業からマイナス評価されるのではと心配」11.8%、「使うこと自体に抵抗がある」9.7%と、いずれも2割以下でした。怖いから抑えているのではなく、使った上で自分の担当範囲を残している、という形です。
「AIを使える会社か」が、企業選びの条件になった
もう一つ数字があります。転職先が生成AIなどの最新技術を活用できる企業かどうかを「非常に重視する」11.8%、「ある程度重視する」43.0%。合計54.8%で過半数に乗りました。前年は4割ほどだったといいます。
個人の生産性という観点では、ここが一番効くかもしれません。自分がどれだけ使いこなせても、職場で使えるツールが限られていたり、扱ってよいデータの範囲がはっきりしなければ、出せる速度には上限がかかります。「AI活用力」を個人のスキルの話として磨いてきた人ほど、それを発揮できる環境かどうかを条件に入れ始めている、と読めます。
企業は、求職者の抵抗感を多めに見積もっている
この調査には企業・団体281件への設問もあります。採用選考で企業側が生成AIを活用していた場合の印象を聞くと、求職者の回答は「特に印象は変わらない」が半数近くで最多、マイナスの印象は「どちらかと言えば」を含めて計29.6%、好印象は計22.6%でした。
同じことを企業に「求職者はどう感じると思うか」と聞くと、マイナス計36.3%、好印象計16.3%。企業のほうが、嫌がられる度合いを6.7ポイント高く、歓迎される度合いを6.3ポイント低く見ています。小さな差ですが、向きは一貫しています。AIを使う側の警戒が、実際の受け手の感覚より少し強い。社内で「AIを使ったと言いにくい」空気がある職場なら、同じズレが起きている可能性があります。
今日できる確認
- いまAIに頼んでいる作業は「調べる」側か「書く」側か。効きが薄いと感じるなら、調べる側に寄っている可能性があります
- 自分の実績を数字で書いた棚卸しメモが1枚あるか。材料がなければ、AIは一般論しか返しません
- 職場で、どのデータをどのツールに渡してよいかを即答できるか。できないなら、答えられる人に一度聞いておく
63.5%という数字は、AIを使うこと自体が差にならなくなってきたことを示しています。差がつくのは、どの工程に置くかと、置ける環境を選べるかのほうです。
Blue Aegis株式会社は、規制対応を検証可能にする技術を研究開発し、その成果を特許として保有・提供しています。規制対応でお困りの場面がありましたら、判断がつかない段階でもご相談ください。
相談する一次出典
- 株式会社学情(PR TIMES)「20代求職者の6割超が「転職活動で生成AI利用」。AI活用できる企業を「重視」が急増し過半数に。企業選びの指標に【20代転職意識調査】」(2026-10-13)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001587.000013485.html
本稿は公表資料に基づく整理であり、法的助言ではありません。