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生成AIを使った経験がある60代は77.1%、70代は61.4%——312名調査が映す、年齢ではなく工程で開く差

2026-10-15 AI活用・スキル

「若いから使える」が、数字の上では薄くなってきた

AIの話題では、世代差が前提になりがちです。若い人は当たり前に使い、年齢が上がるほど縁が遠い、という図式です。その図式が、少なくとも「使ったことがあるか」のレベルでは崩れてきています。

人材サービスの株式会社パソナマスターズ(東京都千代田区)が2026年10月14日に公表した調査では、生成AIの利用経験がある人は全体で76.9%でした。年代別では60代が77.1%、70代が61.4%、50代以下は92.7%です。調査は同社の登録者を対象としたWEBアンケートで、期間は2026年5月28日〜6月10日、有効回答312名(60代227名、70代44名、50代以下41名)。

前年との比較も出ています。全体では55.6%から76.9%へ21.3ポイント増。60代は56.8%→77.1%(+20.3ポイント)、70代は39.5%→61.4%(+21.9ポイント)で、伸び幅がいちばん大きいのは70代でした。50代以下の伸びは14.7ポイントです。

ここは割り引いて読む必要があります。対象は人材サービスに登録している人、つまり働く意欲があり、情報に能動的な層です。ミドル・シニア全体の姿ではありません。発表元も、年度間で調査時期と回答者の構成が違うと注記しています。それでも、1年で20ポイント動く速さは、「そのうち広がる」という見込みの話ではなく、すでに起きたことの記録です。

使う場面は、仕事と私生活に割れている

就業中で利用経験がある175名に、どの場面で使っているかを聞いた結果です。

使う場面割合
仕事と私生活の両方45.1%
主に業務内25.1%
主に私生活29.7%

業務でも使っている人(両方+主に業務内)は約7割。一方で、3割は私生活だけにとどまっています。

ツールは複数回答で、ChatGPT 61.7%、Gemini 54.9%、Copilot 50.9%。3つが50%台から60%台に並んでいます。1つに決め打ちしている人ばかりではなく、複数に触れている状態が見えます(前年のツール設問は業務利用のみを対象にしていたため、年度間の比較は参考値、と発表元は断っています)。

用途は「調べる」に寄り、「書く」「直す」は4割弱

いちばん示唆が多いのは用途の内訳です。利用経験がある240名への複数回答で、こうなりました。

調べるために使う人と、書くために使う人のあいだに約40ポイントの差があります。校正・言い換えも37.9%で、ほぼ同じ位置です。

つまり多くの人は、AIを「聞く窓口」として持っている。けれど、そこで得たものを形にする工程は、まだ自分の手に残っている。この構造は、年齢の話とは別の軸です。そして20〜40代でも、たいてい同じ場所で止まっています。

差がつくのは、渡している工程の数

ここから先は、この調査が直接答えているわけではない、読み手側の話です。

「使ったことがある」が7〜9割に達した世界では、経験の有無そのものは差になりません。履歴書に「生成AIを使えます」と書いても、それは60代の77%と同じ記述です。差が出るのは、1つの仕事のうち何工程をAIに渡せているかのほうです。

たとえば、取引先への提案メールを1通書く作業は、ざっくり3工程に分かれます。

  1. 調べる:相手の状況、過去のやりとり、提案の前提を集める
  2. 下書きする:構成を決めて、文章にする
  3. 直す:長さを整える、表現を変える、抜けを探す

調査の数字をこの3工程に当てると、1は79.2%、2は39.6%、3は37.9%です。1だけで止めている人が、かなりの割合でいることになります。

点検の方法は単純です。今週AIに渡した作業を3つ書き出して、「調べる」以外がいくつあるか数える。ゼロか1つなら、入口で止まっている可能性が高い。そこから広げるときは、工程2より工程3から試すほうが入りやすいはずです。自分が書いた文章を渡して直してもらう作業は、材料がすでに手元にあるぶん、指示が具体的になりやすく、出てきたものの良し悪しも自分で判断できます。

ツールの併用についても、同じことが言えます。3つのツールが50%台で並ぶ状況は、乗り換えの最適解がまだ定まっていないことの裏返しでもあります。どれが一番かを探す時間より、手元の1つで渡す工程を1つ増やすほうが、使える時間あたりの効果は読みやすいと思います。

入口の数字は、もう語らない

1年で20ポイント動いた数字は、裏を返せば「使ったことがある」という指標の寿命が短いということです。来年の同じ調査で60代が85%になっていても、たいして驚かないでしょう。

その先で語られるのは、どこまで渡せているかという話になります。調べるところで止まっている79.2%と、書くところまで持ち込んでいる39.6%の差は、年齢で説明できません。説明できるのは、試した回数と、試した工程の種類です。

Blue Aegis株式会社は、規制対応を検証可能にする技術を研究開発し、その成果を特許として保有・提供しています。規制対応でお困りの場面がありましたら、判断がつかない段階でもご相談ください。

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一次出典

本稿は公表資料に基づく整理であり、法的助言ではありません。