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伸ばしたいもの1位は「専門知識」44.1%、「AI活用力」は41.6%——603名調査が映す、ほぼ並んだことの意味

2026-10-04 AI活用・スキル

AIを仕事で使っている人に「これからどんな力を伸ばしたいか」と聞いたら、何が1位に来ると思いますか。

アクシスコンサルティング株式会社が2026年10月2日に公表した調査では、1位は「専門知識」の44.1%でした。「AI活用力」は41.6%で2位です。AIを月1回以上使っている人たちに聞いた結果で、この順番になりました。

調査の中身

対象は全国の20〜60代の就業者で、業務でAIを月1回以上利用している人。スクリーニング6,604名から本調査の回答者647名を得て、主な集計対象は603名(男性426名、女性177名)です。調査期間は2026年9月11日〜12日、インターネット調査(ツールはFastask)。

「AI時代に伸ばしたいもの」の結果はこうなっています。

伸ばしたいもの割合
専門知識44.1%
AI活用力41.6%
課題設定力25.9%
業界知識23.7%

ここで見るべきなのは、1位と2位がほぼ並んでいることです。差は2.5ポイント。インターネット調査の自己申告で、しかも複数回答と見られるこの規模の数字では、順位の上下そのものに意味を持たせるのは無理があります。

むしろ目に入るのは、上の2つと下の2つのあいだに16ポイント前後の開きがあること。「専門知識」と「AI活用力」が同じ高さで並び、その他がひとまわり下にいる、という形です。

「AI活用力で差が出る」と答えた人が81.9%

同じ調査では、81.9%が「AI活用力で市場価値に差が生まれる」と回答しています(「大きな差が生まれる」と「ある程度差が生まれる」の合計)。

並べると、少し不思議に見えます。8割がAI活用力で差が出ると考えているのに、伸ばしたいものとしてAI活用力を選んだのは4割。数字としては矛盾していません。「差が出る」と「自分がこれから時間を割きたい」は別の問いです。

読み方の候補は2つあります。ひとつは、AI活用力はもう前提に近づいていて、伸ばす対象というより持っていて当然のものになりつつある、という読み。もうひとつは、AI活用力の伸ばし方がわかりにくいので、伸ばしたいものとして挙げにくい、という読み。この調査だけでは、どちらとも決まりません。

同じ調査には、関連する数字が2つあります。「知識や経験を新しい仕事・役割に活かせる」と実感している人が78.4%(強く思う26.7%+やや思う51.7%)、「AIによってキャリアの選択肢が広がる」が58.0%(大きく広がる13.4%+やや広がる44.6%)。手持ちの知識が持ち運べる感覚のほうが、選択肢が広がる感覚より20ポイント高い、という並びです。

並んだなら、掛け算で考える

どちらが上かを決めたいとき、人はつい片方を選びます。でも2.5ポイントの差というのは、選ばなくていい、という結果でもあります。実務に落とすなら、やることは3つです。

1. 専門知識を、AIに渡せる形にする。 自分の領域で何を見て判断しているかを、箇条書きで10行書き出してみてください。「この条件が揃っていたら見送る」「この数字が基準を下回ったら差し戻す」といった粒度です。頭の中にあるうちは専門知識、書き出した瞬間からAIへの指示になります。渡せる形になっていない専門知識は、AIの前では使われないまま終わります。

2. 出力の良し悪しを即断できる領域を、1つ決める。 AIの出力を5秒で「これは違う」と言える分野が、自分がいちばん成果を出せる分野です。逆に、良いか悪いか判断できない分野では、AIを使うほど確認の時間が増えます。専門知識とAI活用力が掛け算になるのは、この判断の速さの部分です。

3. 頼む前の30秒を言語化する。 「課題設定力」は25.9%で3位ですが、AIに何を頼むかを決める工程そのものです。プロンプトを書く前に、何を知りたいのか・何が決まれば前に進むのかを一行書く。この一行の精度が、出てくるものを決めます。

数字の扱いについて

この調査はインターネットによる自己申告で、対象は業務でAIを月1回以上使っている人に限られています。就業者全体の分布ではありません。「AIを使っている人たちの中では、専門知識とAI活用力が同じくらい重視されている」という範囲で読むのが妥当です。

それでも、使っている人たちが専門知識を手放していない、という一点は役に立ちます。AIが上手いだけでは足りないし、専門知識だけでも足りない。どちらを選ぶかという問いの形そのものが、たぶん間違っています。

今週やるなら、まずは1つ目です。自分の判断基準を10行書き出して、プロンプトの冒頭に貼って1週間使ってみる。書き出す過程で、自分が何を根拠に決めていたのか曖昧だった部分が見つかります。それが見つかること自体が、専門知識を伸ばす作業になります。

Blue Aegis株式会社は、規制対応を検証可能にする技術を研究開発し、その成果を特許として保有・提供しています。規制対応でお困りの場面がありましたら、判断がつかない段階でもご相談ください。

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一次出典

本稿は公表資料に基づく整理であり、法的助言ではありません。