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REGULATORY INSIGHT

取適法(旧下請法)の取引記録——第7条の18項目と、価格協議に応じたことを示す記録

2026年10月22日

誰が、いつから、何を示す必要があるか

2026年1月1日、下請法は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(取適法)に改められました。委託する側(委託事業者)は、発注時に取引条件を書面または電磁的方法で明示し(第4条)、取引の経過を記録して2年間保存する義務を負います(第7条)。旧法の3条書面・5条書類が、条番号を変えて引き継がれた形です。

適用範囲も広がりました。資本金基準に加えて従業員数基準(製造委託等は委託側300人超・受託側300人以下、その他の役務提供等は100人超・100人以下)が設けられ、資本金が小さくても従業員の多い委託事業者が対象に入ります。発荷主が物品の運送を委託する「特定運送委託」も対象取引に加わりました。

運用も動いています。2026年9月以降、取適法の条文を適用した勧告が出ており、10月には手形払いによる支払遅延を理由とする勧告も公表されました。

法令と規則が定めていること

実務で詰まる点

  1. 第7条の記録事項は発注・受領・検査・支払の各部門にまたがります。購買システム、検収記録、支払データが別々にあると、ひとつの取引について18項目を揃えて示すのに時間がかかり、どこかが欠けます
  2. 価格協議の経緯は、講習会テキストに示された第7条の記載事項には含まれていません。それでも「協議に応じた」「必要な説明をした」ことは委託側が示す立場にあります。協議の申入れ、回答、根拠資料の提示を取引記録と結び付けて残していないと、据置きの判断が一方的な決定と見られかねません
  3. 従業員数基準の判定は、受託側の「常時使用する従業員」の数によります。取引開始時に確認しても、その後の変動で適用関係が変わることがあり、いつ・何を根拠に判定したかを残す必要があります
  4. 2025年12月以前の発注には旧法が適用されるため、移行期の取引では、どの法の、どの条項に基づく記録なのかを発注日で区別しておかなければなりません

運用でしのぐか、仕組みで担保するか

この種の要請には、二通りの向き合い方があります。ひとつは、手順書を整備し、担当者が確認と記録を行う運用でしのぐ方法。もうひとつは、求められたときに示せる記録が自動的に残る仕組みを組み込む方法です。

前者は着手が早い反面、対象となる手続や担当者が増えるほど破綻します。例外対応が積み重なるうちに記録の粒度が揃わなくなり、後から範囲を特定できなくなるためです。後者は設計の負担が先に来ますが、あとから確認できる状態が保たれます。

当社は、規制対応の適合性を人手の運用ではなく仕組みとして担保する技術を研究開発し、その成果を特許出願として保有しています。詳しくは技術領域をご覧ください。

自社が対象になるのか、対象だとして何を記録しておくべきか。判断がつかない段階でのご相談を歓迎します。該当性の判断は当社側で行いますので、現在の仕組みをお聞かせいただくだけで構いません。

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出典

下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律(令和7年法律第41号)(衆議院 制定法律)
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/21720250523041.htm

公正取引委員会「取適法の留意事項」
https://www.jftc.go.jp/toriteki/toriteki_ryuijiko

公正取引委員会 取適法講習会テキスト(第7条の書類等の記載事項)
https://www.jftc.go.jp/event/kousyukai/r8toriteki_shiryo1.pdf

公正取引委員会「令和7年度における下請法の運用状況及び企業間取引の公正化への取組」(2026年6月10日)
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2026/jun/260610.html

公正取引委員会 報道発表(2026年10月9日、手形払いによる支払遅延等に対する勧告)
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2026/oct/261009_chubu_toriteki.html

本稿は2026年10月22日時点で確認できた公表資料に基づく整理であり、法的助言ではありません。個別の適用可否については専門家にご確認ください。

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