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REGULATORY INSIGHT

会社法改正で検討中の実質株主確認制度とバーチャルオンリー総会——上場会社が残すことになる記録

2026年10月22日

誰が、いつから、何を示す必要があるか

法制審議会の会社法制(株式・株主総会等関係)部会は、2026年3月に中間試案を取りまとめ、意見募集を経て、9月30日の第18回会議から要綱案の取りまとめに向けた検討に入っています。法案の国会提出は2027年以降の見込みで、現時点で成立・施行日は決まっていません。

それでも上場会社の実務担当者が今のうちに押さえておく意味があるのは、検討中の二つの制度、すなわち実質株主の確認とバーチャルオンリー株主総会が、いずれも「会社が何を把握し、何を記録したか」を後から問われる構造になっているためです。以下は部会資料に示された案であり、最終的な内容は変わり得ます。

部会資料が示している案

実務で詰まる点

  1. 実質株主の照会は、仲介機関を何段階もたどって回答が戻ってきます。どの仲介機関に、いつ請求し、いつ、どの経路で何が返ってきたかを請求単位で記録しておかないと、回答がなかったことを理由に議決権停止を主張する際、会社が負う立証に耐えません
  2. 照会で得た情報は、大量保有報告書の記載や株主名簿と突き合わせて初めて意味を持ちます。基準日ごとの名簿、照会回答、報告書の三つが時点を揃えて保存されていないと、違反の有無を判断できません
  3. 通信障害の特例を使うには、「合理的な範囲の対策を講じていた」ことを会社側が示す必要があります。事前の対策の内容、当日の障害の発生時刻と影響範囲、議長の判断の経過が、総会後に再現できる形で残っていなければなりません
  4. 通信記録が株主の閲覧・謄写の対象になると、記録の完全性と改ざんされていないことの説明が求められます。配信事業者のログに依存したままでは、会社自身が保存期間を通じて内容を保証できません

運用でしのぐか、仕組みで担保するか

この種の要請には、二通りの向き合い方があります。ひとつは、手順書を整備し、担当者が確認と記録を行う運用でしのぐ方法。もうひとつは、求められたときに示せる記録が自動的に残る仕組みを組み込む方法です。

前者は着手が早い反面、対象となる手続や担当者が増えるほど破綻します。例外対応が積み重なるうちに記録の粒度が揃わなくなり、後から範囲を特定できなくなるためです。後者は設計の負担が先に来ますが、あとから確認できる状態が保たれます。

当社は、規制対応の適合性を人手の運用ではなく仕組みとして担保する技術を研究開発し、その成果を特許出願として保有しています。詳しくは技術領域をご覧ください。

自社が対象になるのか、対象だとして何を記録しておくべきか。判断がつかない段階でのご相談を歓迎します。該当性の判断は当社側で行いますので、現在の仕組みをお聞かせいただくだけで構いません。

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出典

法務省 法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会
https://www.moj.go.jp/shingi1/housei02_003007_00014.html

法務省「会社法制(株式・株主総会等関係)の見直しに関する中間試案の概要」
https://www.moj.go.jp/content/001464743.pdf

同部会 部会資料13
https://www.moj.go.jp/content/001465241.pdf

同部会 部会資料16
https://www.moj.go.jp/content/001471858.pdf

同部会 第18回会議(2026年9月30日)
https://www.moj.go.jp/shingi1/shingi04900001_00342.html

本稿は2026年10月22日時点で確認できた公表資料に基づく整理であり、法的助言ではありません。個別の適用可否については専門家にご確認ください。

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