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「できるようになった」ほど、足りないものが見える——生成AI研修1,014人調査が映す上達の合図

2026-09-02 AI活用スキル

新しい道具を覚えたとき、「もう大丈夫そうだ」と感じる瞬間と、「まだ全然足りない」と感じる瞬間があります。気分としては前者のほうが心地よいのですが、上達している合図はたいてい後者のほうです。

そのことが、数字の形ではっきり出た調査が公表されました。

評価が高い人ほど、課題を強く感じていた

一般社団法人生成AI活用普及協会(GUGA)が2026年9月1日に公表した「新卒社員向け生成AI研修に関する実態調査」は、従業員10名以上の企業に勤め、生成AI活用の指導・教育に携わる20〜60代の1,014名に聞いたものです。調査期間は2026年6月16〜17日、インターネット調査です。

目を引くのは、次の組み合わせでした。

とくに「研修内容の設計」については、非常に高く評価した層の67.7%、およそ3人に2人が強い課題意識を示しました。GUGAはこの逆転を「AIネイティブ・パラドックス」と名づけています。

うまくいったと評価している人ほど、不満が多い。ふつうに考えれば逆です。

見えるようになったから、足りないものが見える

説明そのものは難しくありません。相手のレベルが上がると、教える側に見える景色が変わるからです。

生成AIの使い方がおぼつかない相手を前にしているうちは、課題は「基本操作を覚えてもらう」で足ります。ところが相手が実務で使い始めると、途端に別の問題が顔を出します。どこまで任せていいのか。出てきた答えをどう確かめるのか。うまくいった手順をどう他の人に渡すのか。どれも、最初の段階では存在すら見えなかった問いです。

課題が増えたのは、状況が悪化したからではありません。扱える範囲が広がった結果、その先にある問題が視界に入ったということです。

同じことは、自分の学習にもそのまま起きます。プロンプトの書き方を覚えた直後は「これで十分」と感じます。実際の仕事で何度か使うと、「指示は通じたのに、使える答えにならない」場面にぶつかります。その違和感が出てきたら、後退ではなく前進です。

「満足」ではなく「問いの変化」で測る

とはいえ、感覚だけでは自分の現在地はつかみにくいものです。3つの見方を提案します。

1. 手応えではなく、質問の中身で測る

1か月前に自分がAIに投げていた質問と、いまの質問を並べてみてください。「〜を書いて」から「〜の観点で3案出して、それぞれの弱点も」へ変わっていれば、確実に進んでいます。満足度は下がっていても構いません。

2. 詰まった場所をその場で1行書き残す

「途中で手が止まった」「結局書き直した」と感じた瞬間に、何が足りなかったのかを1行だけ残しておきます。週の終わりに眺めると、次に学ぶべきことがだいたい3つくらいに絞り込まれます。漠然と「AIをもっと勉強しよう」と考えるより、はるかに手が動きます。

3. 学ぶ範囲は自分で広げる前提でいる

同じ調査では、新卒社員向けの生成AI研修の実施率は93.5%と高い一方、「全員を対象に実施」は38.5%にとどまりました。研修内容として挙がった上位も、リスク49.6%、基礎知識48.7%、社内ルール48.2%と、入口の整備が中心です。会社の研修は出発点をそろえるためのもので、そこから先の伸びしろは各自の担当だと考えたほうが現実的でしょう。

なお、この調査では生成AI関連の資格・検定への関心が88.7%(「非常に関心がある」34.8%、「やや関心がある」53.9%)にのぼっています。資格が成果を保証するわけではありませんが、「次に何を学べばいいか分からない」状態を抜けるための地図としては使えます。

課題リストが伸びているなら、進んでいる

AI活用の上達を、迷いのなさで測ろうとすると苦しくなります。使えば使うほど、判断に迷う場面は増えるからです。

今回の調査が示したのは、教える側ですら同じだということでした。よく育っていると評価した人ほど、次に手を入れたい箇所を具体的に挙げている。それは行き詰まりではなく、見通しが利くようになった証拠です。

自分の課題リストが先月より長くなっていたら、そのまま続けて構いません。短いままなら、少し背伸びした仕事をAIと一緒にやってみるほうが早いはずです。

Blue Aegis株式会社は、規制対応を検証可能にする技術を研究開発し、その成果を特許として保有・提供しています。規制対応でお困りの場面がありましたら、判断がつかない段階でもご相談ください。

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一次出典

本稿は公表資料に基づく整理であり、法的助言ではありません。