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AIに分析を任せて詰まる場所は、だいたい決まっている——内製化経験者326人が挙げた3つのギャップ

2026-08-30 AI活用業務効率化

AIに資料を渡して集計を頼んだのに、数字が少しずれている。同じことをもう一度聞いたら、前と違う答えが返ってくる。そういう経験があるなら、原因はAIの性能ではなく、渡し方のほうにあるかもしれません。

ウイングアーク1st株式会社が2026年8月28日に公表した「生成AI活用におけるデータ活用基盤に関する実態調査」に、その裏づけになる数字が並んでいます。対象は、過去2年以内にBIツールを使いながら、生成AIでデータ活用・分析の業務を自社内で回してきた担当者・責任者326名。調査期間は2026年6月4日から5日、オンラインアンケートです。実際にAIへ数字を任せてきた人たちの回答である点が、この調査の値打ちです。

つまずきの中身は「精度」と「段取り」に割れている

生成AIで社内のデータ活用・分析を行ううえで課題を感じていると答えた人は87.2%(「非常にそう思う」34.4%+「ややそう思う」52.8%)。ほぼ全員です。

注目したいのは、その中身が一つに偏っていないことです。取り組む前の想定と実際とのギャップを聞いた設問(326名・複数回答)では、「出力結果の精度や再現性が想定より低かった」45.7%、「データ整備・準備に想定以上の時間がかかった」44.5%、「業務システムとの連携で想定以上に苦労した」43.9%が、ほぼ横並びで挙がりました。

つまり、うまくいかない理由の半分は「AIの答えが安定しないこと」、もう半分は「AIに渡すまでの手間」です。モデルが賢いかどうかより手前にある話が、実務では効いている。

「生成AIだけで、経営判断や業務改善に資する高度なデータ分析・可視化を完結できると思うか」という問いに否定的だった人は35.9%(「全くそう思わない」8.9%+「あまりそう思わない」27.0%)。その理由の筆頭は「アウトプットの精度にばらつきが出てしまうから」44.4%、次いで「リアルタイムでデータを反映することができないから」40.2%でした(この設問の回答者は117名)。

自由回答には、こんな声も載っています。

やはり出てくるアウトプットを人が確認することを、現状無くすことは難しいと思います。

これは全社システムの話に見えて、一人で数字を扱う人にもそのまま当てはまります。個人の仕事に置き換えると、やることは3つに整理できます。

手順1 渡す前に、材料を1か所にまとめる

「データ整備・準備に時間がかかった」44.5%を自分の机の上に置き換えると、こうなります。売上の表はスプレッドシート、条件はメールの本文、前月の経緯はチャットの履歴。この散らばったままの状態で、思い出した順にAIへ小分けで貼っていく。

これをやると、AIは毎回ちがう材料で考えることになります。答えがぶれるのは当然です。

対策は単純で、AIを開く前に、1つのファイルに材料を集めてしまうこと。表・前提条件・期間・除外するデータを、上から順に並べるだけで構いません。5分の手間ですが、聞き直しの往復が減るぶん、たいてい元が取れます。

手順2 出力の「型」を先に決めて、聞き方を固定する

再現性の低さ、つまり同じ質問に違う答えが返る問題は、指示を毎回書き下ろしていることが原因になりがちです。

先に型を決めてしまいます。たとえば「結果は表で出す。列は月・件数・前月比・気づいた点の4つ」「計算に使った行を必ず併記する」「元データにない数字は書かず、不明と書く」。この3行をテンプレートとして手元に置き、毎回同じものを貼る。

型が固定されると、出力を見比べられるようになります。先月と今月の答えが違ったとき、それがデータの変化なのか、聞き方のブレなのかを切り分けられる。ここが安定して初めて、AIの答えを判断材料に使えます。

手順3 「見張る仕事」まで抱え込ませない

同じ調査で、生成AIとBIツールの得意な領域は分かれていると答えた人は86.8%。AI内製化を経て、あらためてBIツールに任せたいと感じる領域の1位は「リアルタイム監視・異常検知」49.1%でした。今後の関係についても、「業務や場面によって使い分けが進む」27.0%と「役割を分担しながら共存・併用していく」22.1%を合わせて49.1%が、補完しあう形を挙げています。

個人の仕事でいえば、毎日決まった時間に同じ数字を見る、しきい値を超えたら気づく、といった定点観測の作業です。ここはスプレッドシートの関数や条件付き書式、通知の設定に任せたほうが確実で、コストもかかりません。AIには、変化に気づいたあとの「なぜそうなったか」「次に何を確かめるか」を一緒に考えてもらう。

見張るのは道具、考えるのはAIと自分。この線を引くだけで、毎朝の確認作業をAIに投げて曖昧な要約が返ってくる、という無駄が消えます。

一発の賢さより、繰り返せる形

326名の調査が示していたのは、AIの能力の限界というより、任せ方の設計が追いついていない現場の姿でした。精度が45.7%、段取りが44.5%と拮抗している以上、片方だけ直しても体感は変わりません。

材料をまとめてから渡す。出力の型を固定する。見張る作業は別の道具に置く。どれも派手さはありませんが、AIの答えが安定すると、確認にかけていた時間がそのまま浮きます。まずは自分がいちばん頻繁に頼んでいる作業を1つ選んで、手順1から試してみてください。

Blue Aegis株式会社は、規制対応を検証可能にする技術を研究開発し、その成果を特許として保有・提供しています。規制対応でお困りの場面がありましたら、判断がつかない段階でもご相談ください。

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一次出典

本稿は公表資料に基づく整理であり、法的助言ではありません。