REGULATORY INSIGHT
マイナンバーカード署名用電子証明書を業務で使うときの照合と記録の要件
誰が、いつから、何を示す必要があるか
公的個人認証法により、総務大臣の認定を受けた民間事業者(プラットフォーム事業者経由を含む)は、署名用電子証明書を用いた本人確認を業務に組み込めます。犯収法上も、電子証明書を用いた方式は非対面本人確認の主要な方法として位置付けられ、画像送信型の方式が縮小する中で実質的な標準になりつつあります。事業者は「証明書が有効だったこと」と「証明書の記載と申込内容が一致したこと」を後から示せる必要があります。
制度が定めていること
- 署名用電子証明書には基本4情報(氏名・住所・生年月日・性別)が記載され、電子署名の検証によって本人性と非改ざん性が確認できる
- 有効性は J-LIS の失効情報(CRL または OCSP相当)で確認する必要があり、証明書の有効期間内でも住所変更等で失効する
- 民間利用には認定または認定事業者経由の利用が必要で、利用目的の範囲が定められる
実務で詰まる点
- 署名検証は行ったが、失効確認をいつ・どの失効情報で行ったかが残っていない
- 証明書の基本4情報と申込フォームの入力値の照合が人手で、どの項目をどう一致とみなしたかの記録がない
- スマートフォン搭載証明書とカード搭載証明書で処理系が分かれ、記録の形式が揃っていない
運用でしのぐか、仕組みで担保するか
この種の要請には、二通りの向き合い方があります。ひとつは、手順書を整備し、担当者が確認と記録を行う運用でしのぐ方法。もうひとつは、求められたときに示せる記録が自動的に残る仕組みを組み込む方法です。
前者は着手が早い反面、対象となる手続や担当者が増えるほど破綻します。例外対応が積み重なるうちに記録の粒度が揃わなくなり、後から範囲を特定できなくなるためです。後者は設計の負担が先に来ますが、あとから確認できる状態が保たれます。
当社は、規制対応の適合性を人手の運用ではなく仕組みとして担保する技術を研究開発し、その成果を特許出願として保有しています。本稿が扱う「本人確認・電子的な識別」の領域についても出願を行っています。詳しくは技術領域をご覧ください。
自社が対象になるのか、対象だとして何を記録しておくべきか。判断がつかない段階でのご相談を歓迎します。該当性の判断は当社側で行いますので、現在の仕組みをお聞かせいただくだけで構いません。
相談する出典
電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(公的個人認証法)
地方公共団体情報システム機構(J-LIS)民間事業者向け案内
犯罪収益移転防止法施行規則 第6条(公的個人認証を用いる方式)
スマートフォン搭載電子証明書に関する制度改正
本稿は2026年9月10日時点で確認できた公表資料に基づく整理であり、法的助言ではありません。個別の適用可否については専門家にご確認ください。
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