「効いている気はする」で止まる人と、説明できる人——マーケ1,037人調査が映す成果の伝え方
「AI、たしかに効いている気はするんですよね」。この言い方で止まっている人は多いと思います。実際に手は速くなった。でも「で、どれくらい効いたの?」と聞かれると、急に言葉が出てこない。
株式会社Macbee Planetが2026年9月3日に公表した調査は、その「気はする」の正体を数字で見せています。企業でマーケティング業務に従事する1,037名(BtoC 525名/BtoB 512名)を対象に、2026年7月28〜29日に実施されたものです。
貢献の段階は「効率化」で止まりやすい
生成AIの貢献段階を聞いた設問では、「業務効率化に貢献」が34.6%で最多。「マーケティングKPIに貢献」が27.3%と続きます。一方、「短期的な事業成果に貢献」15.5%と「中長期的な事業成果に貢献」8.6%を合わせた事業成果への到達は24.1%でした。
作業は速くなった。けれど、それが売上や案件数の話につながっているかというと、4人に1人。この段差はおそらく、多くの人の実感とも合っているはずです。
実感と説明のあいだにある溝
同じ調査で目を引くのは、説明の側の数字です。「定量的な根拠をもって十分に説明できている」または「一部の成果については説明できている」と答えた割合は、BtoC企業で74.1%、BtoB企業で60.0%。14.1ポイントの差がありました。
そしてBtoB企業では、「成果の実感はあるが、客観的な説明は難しい」が29.9%(BtoC企業では19.0%)。3人に1人近くが、手応えを言葉にできないまま抱えています。
投資額と成果をひも付けてROIまで定量的に把握できているのは、BtoC企業で21.2%、BtoB企業で11.9%。数字にする作業そのものが、まだほとんど手つかずだということです。
説明できている側に、次の一手が回っている
この調査には、続きがあります。今後12カ月の投資予定を見ると、ROIを十分に把握できている層では97.0%が「増やす・新たに始める」と回答し、そのうち20%以上の増額を見込むのは59.8%。把握が不十分な層では88.2%、20%以上の増額は30.8%でした。
投資を続けるかどうかの判断は、成果そのものではなく、成果を説明できる状態かどうかに寄っている。これは会社の話ですが、個人にもそのまま当てはまります。ツールの契約、試す時間、任せてもらえる範囲——次に回ってくるものは、たいてい「説明できた人」のところに集まります。
説明に変える、3つの手順
明日から試せる形にすると、こうなります。
- 相手の指標に1本だけ紐づける。 「30分が10分になった」で止めず、その時間で何本多く出せたか、何件多く返せたかまで書く。上司や取引先が普段見ている数字に接続するのがコツです。
- 比較対象を先に確保する。 AIを使う前の所要時間や件数を、ひとつでいいので記録しておく。あとから思い出して書いた数字は、聞かれたときに崩れます。
- 月に一度、3行で残す。 「何に使ったか」「どれだけ変わったか」「次に試すこと」。評価面談や見積もりの場面で、この3行があるかないかで話の重さが変わります。
活用領域の内訳を見ると、「文章・資料の作成」45.6%、「データ分析・顧客理解」43.3%、「マーケティング戦略・企画立案」38.8%の順でした。使い道の上位は、どれも成果が数字になりにくい仕事です。だからこそ、意識して紐づける作業が要ります。
まとめ
「効いている気がする」は、悪い状態ではありません。効いていること自体は本当だからです。足りないのは、それを他人の言葉に翻訳する一手間だけ。今週のうちに、AIを使った仕事をひとつ選んで、使う前の数字をメモしておいてください。説明はそこからしか始まりません。
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相談する一次出典
- 株式会社Macbee Planet(PR TIMES)「マーケティング担当者1,037名に聞く「生成AIの事業成果への貢献調査」を実施」(2026-09-03)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000195.000023647.html
本稿は公表資料に基づく整理であり、法的助言ではありません。